『告白したこと…後悔してる?』



「ううん…告白して良かったって思ってる。」


その声ははっきりしていて。

本当なんだ、と思った。



『柚木ちゃん…俺…』



『俺…』



『俺…柚木ちゃんのこと…』



のど元まで来ていた。

溢れ出しそうなこの好きという感情。


そして俺はそれを言葉にしようとしていた。




「ん?修司?」


柚木ちゃんの声がしてはっと我に返る。


ダメだ。

今、言っちゃいけない。


だって柚木ちゃんは失恋したばかりで、

俺はあくまでも柚木ちゃんの生徒。



『好き』


なんて言ったら前の関係には戻れない。




『いや…なんでもない。

慎くん安心させるためにも早く次の恋、探さないとな』


俺は柚木ちゃんから離れ、そう言った。