『…………ダメだ』


と、独り言。


何がダメって?

んなの、分かんねぇ。


ただ…なんかジッとしてることができない。



風にでも当たるか。

そう思い、ベランダの戸を開けた。


少し冷たい風が吹き付ける。


アルコールでもあれば最高なのに。

なんて思いながら炭酸を口に運ぶ。


未成年って惨めだ。


アルコールがダメだから炭酸の刺激で我慢しなくちゃならない。


炭酸じゃ酔っぱらうことも、

記憶をなくすことも、

眠くなることもない。




「………修司?」


突然聞こえてきた声。


この声、柚木ちゃんじゃない。



『加奈さん、ですか』