ふっと笑いをもらした加奈さんは俺の横に立ち、頭に手を置いた。



「ありがとね、修司くん。


にしてもお姉ちゃんは幸せだなぁ。

修司くんみたいな格好良くて優しい子に想い寄せられて。」



『そんなことないですよ…』



少し、照れくさくて。

人に髪の毛触られるなんて何年ぶりだろう。


なんだか恥ずかしい。



「頑張れ、修司。

あたしは修司を応援してる!」


立ち上がり、奥の部屋に入ろうとした俺に加奈さんの元気な声が降りかかった。



いつの間にか「くん」が取れてるし。

ま、そのほうが違和感なくていいんだけど。




『俺…頑張ります』


小さな声で呟き、ベットにダイブした。



あー…やべぇ。

今のは衝撃が強すぎてカラダに悪い。



急いで布団に潜り込み、目を閉じた。



まぶたを閉じればいつだって柚木ちゃんの笑顔が浮かんで。

俺…どんだけ好きなんだろ…っ