『ふわぁ〜』


やっぱ、眠ぃーや。

この席は魔の席だな、うん。



「また欠伸してる〜

まず、その姿勢やめようか??春谷(ハルヤ)くん」


知らない間に俺の前に立っていたコイツ



『すんません、柚木ちゃん』


「こら!!ちゃんじゃなくて先生、っていつも言ってるでしょ?!」


柚木ちゃん…俺等1年の数学教師

名前は木下柚子(キノシタユズ)
通称柚木ちゃん

なんでこの呼び方なのかは不明。


けどうちの高校じゃ、みんな柚木ちゃんと呼んでいる。

ま、本人はかなりイヤがってるけど。



『ホント柚木ちゃんて、オカンみたい。

欠伸したくらいでそう怒んないでよ。


だいたい、いつものことでしょ?

俺が授業中に欠伸するなんて。』

と、言いながらまた欠伸が出る。


あ、やっべ。

柚木ちゃんの目が怖ぇーや。



「春谷くん?

屁理屈ばっかり言わないの。


さっさと問題解く!

次の問題、春谷くん当てるからね」


柚木ちゃんはニヤッと笑い教室の見回り。


あーぁ、めんどくせぇ

なんて思いながらも黒板の問題を写す。


ってこの問題、簡単じゃん。