デパートはナツコと萩野主任の噂で持切りだった。
萩野主任の犠牲者は他にもいたらしい。
ナツコは犠牲になっていた女性社員の英雄となっていた。
萩野主任はヅラがバレたのが余程耐えられなかったのか、
地方に転勤願いを出し、あっという間に異動した。
「ナッちゃん…。
私なんて言ったらいいか…。今までホントに
ありがとう。」
京子はナツコに心からお礼を言った。
「なーに言ってんの!
私と京子の仲じゃないの!
気にするなー?」
「でも、ホントにデパートやめちゃうの?
せっかくクビにならなかったのに…」
「京子…。
私はね、もっと違う道も選んでみたいの。
デパートはある意味登り着いた感があるし…。」
「そう…。
ナッちゃんが初めての友だちだったから
寂しいわ。」
「きょ、きょーこっ。
あんたって子はっ!
私なんかが友だちでうれしーだなんて!
私はなんて幸せ者なのっ!
いい?私が退職したからって友だちは終わらないのよっ。
なんかあったら呼びなさいね。」
「うんうん、ナッちゃんに会えて良かった。
元気でね。」
「京子もね。」
ナツコがデパートを出ると、
晴れ渡る空が広がっていた。
「よしっ!
新しい仕事に探す前に
地元に帰ってみるかっ!
かわいい妹が泣いて喜ぶぞっ!」
一見どこにでもいる女
一度激情すると周りの者を振り回す…。
激情型お姉さん
その人の名は
ナツコ
今度はあなたのそばで激情するかも…

