案ずるより産むが易し。



ありがたいことに、安産で出産することができた。



夫は喜びも束の間、
仕事に戻らなくてはならない。



赤ちゃんを一度だっこした後、
単身赴任先へと帰って行った。



産後2時間は安静にするという。



病院のベッドで、横になっていると、



赤ちゃんが産まれたという喜びが込み上げてきた。



 ああー、痛いな。



同時に
子宮収縮の痛みも込み上げてきた。



 産後もこんなに痛いのか。辛いな…



 大丈夫かな、私…



 そうだ、辛くてもナツコがいる。



 ナツコのおかげで
私は大舟に乗ってるんだった。



 私には、
楽しい育児生活が約束されていたんだった。



 ナツコの事だ。
 私が辛いと言えば、
喜んで、一日中だっこしてるだろうな…



私は朝まで、
そんなことを考えながら、浅い眠りについた。