「とにかく君はあっちで寝るの! じゃあ、おやすみ!」

「あ……」

言うだけ言って、何か言いたげなリトを無視してわざとバタン!と大きな音をたててドアを閉めた。


階段を上って二階の一番奥にある自分の部屋に辿り着くや否や、ベッドにダイブした。

ボスンッ、とベッドのスプリングで体が跳ねる。

「なんか、疲れた……」

精神的にも、肉体的にも。

すぐにやってきた睡魔に誘われて私は目を閉じた。

疲れ切った思考じゃ、もう何も考えられなくて。

せめて明日はついてない一日じゃありませんように、と祈って眠りに就いた。





もっと大事なことを祈るのを忘れていたことに、気付かないまま。