「オレ、神様なんて信じてなかった。神様がいるなら何でオレはひとりぼっち……? ってずっと思ってたから」

「……っ、……」

「だけどシイカに拾ってもらった時、ああ、神様はいたんだなって思った……」

ソファの上にちょこんと両足を乗せて座りながら、私を眠たそうな目で見てそう言う。


「だから、オレは願ったんだ。シイカを守れるような存在になりたい、って」

「……え?」

「そしたらこうなった」

「……はい?」

え、ちょっと待って。

「それで終わり……?」

「うん」

……

……えーと。

はい?

「ちょ、ちょっと待った!」

声を荒げる私に、リトは不思議そうに首を傾げた。

まるで子供みたいな動作だ。

「何?」

「……何って。話が非現実すぎて理解できない」

「?」

更に彼は首を傾げる。

……って、そんなに傾げたら

「あ」

「え」

ドテッと鈍い音をたてて、リトがソファから……

落ちた。