四人の少女は同じ制服を身にまとい、仲良くお喋りしながら桜の舞い落ちる坂を楽しそうに上っていく。




坂の上には至って普通の平凡な中学校が見え、校門には大きく墨で「入学式」と書かれた半紙の看板が立てかけられていた。





「入学式かぁ、懐かしいね……私達はもう中学二年生だよ~」





色素が薄めの茶色の髪を緑のリボンでポニーテールに結いだ少女・山中藍≪やまなか あい≫は言った。


隣の黒髪を真っ直ぐに伸ばし、眼鏡をかけた少女・杉並咲月≪すぎなみ さつき≫は言う。





「そうだね。でも貴女の頭の中は中学一年生で止まったまんま、でしょう?」




「ちょっどーゆう意味!!?」





「ま、まぁまぁ落ち着いて。それに本当のことなんだから仕方ないでしょ?もうお終い」





今度は二人の間に焦げ茶の髪を短めにカットした少女・上山千尋≪かみやま ちひろ≫は、二人の間に仲裁を加える。


それを横目に見てアハハと黒髪をツインテールに縛った少女・津田祐≪つだ ゆう≫が笑う。





「みんな仲いいねぇ、てか保護者が一人混じってるよ」




「保護者って…違うから」





そうして講堂へ入って行った―――――――――。