『お母さん』


病室には機械音と啜り泣く声。


肩を震えさせて泣いている母。


そんな母の背中を摩りながら、

『頑張ってお父さんを元気にしようね。』


と声をかける。


本当に看病できるのだろうか。


―今日が峠―

そんな言葉が浮かぶ。



彼には先に帰ってもらって、

久しぶりの親子三人の空間だった。