罪。愛。

「それじゃあ、そろそろ時間だから帰るね?」

『うん、ありがとうね』

「お大事にな!」

『はい、ありがとうございます。』

晴美、笹本先輩それと前園が病室から出て行った。

この部屋は個室なのでゆっくりできる。

今日も月が綺麗だ。


『金城?いいかな…』

『え、うん』


誰かと思えば、さっき出て行ったばかりの彼だ。

彼は『またまたゴメン。気使わないで』と言った。

やはり、茶道の家元だけある。

品がそこらの男とは違う。

『椎名さんって金城の事嫌いなのか?』

なんて単刀直入。

ってか、あなたのせい。

晴美はあなたが好きだから私を恨んでる。

気づいて。

『理由もなんとなく分かってるんだ。』

と彼は続けた。

『…俺のせいだろ?』

知ってたんだ。

私は今、彼と目を合わせられない。

私は頷いた。

『やっぱり、辛くないのか?金城が辛いなら俺も気をつけるし…』

そんな事、誰でも言う。