今日の練習も終わって由美と帰る。



「本当酷い顔。本当どーしたの最近」

「…………別に…」

本当の事なんて言えっかよ。



「俺知ってるけど?」

「本当!?橋本!!」
「バカ橋本言うなっ!!」

俺がそぅ言うと橋本はニヤッと笑う。



「亮は――」
「あっバカっ」


橋本の口を止めようとするが長身の橋本の顔に届かない。
(+邪魔されて)










「夏大勝ち上がって長く平田といたいんだってさぁー!!」


「ぇ……」

「てめっ」


「平田かわいいから部活無くなったらめちゃくちゃ告られそうで恐いんだってさぁー!!」

走りながらそぅ言った橋本に、俺は殺すと言って追い掛けた。






「ハァハァ、ハァ……」

長距離より短距離派の俺は途中でバテて、肩を大きく動かして呼吸をした。




「やべっ由美;;」
後ろを振り向くと由美がいた。
息切れをしていた。


「だから最近頑張ってるんだね…」

“違う”と言えないのは、橋本が言った事は正解だから。

やっぱ橋本に言うんじゃなかった;;




「かっこいい」より「かわいい」の方が当てはまってるし、身長180無いし。
俺は怖いんだよ。




でもそんな俺に由美は、

「大丈夫だよ」

と言って俺を抱き締めた。