「ふあー!もうすぐ入学式ですよ~!緊張する~!!」

こんにちは、相も変わらず垣元さんにお世話になっちゃってる優姫です。
…って、私誰に話しているんでしょう?
………まぁ、いいや。

「ふふっ。大丈夫ですわ、優姫様。優姫様でしたらすぐにご友人もできますわ」

「そう、ですかね?」

「えぇ」

柔らかな陽の光がさしこむ、厨房にほど近い簡易キッチンにて、私はいまだクスクスと笑うメイドさん…もとい櫻井さんに問いかける。

ちなみに今は私の強い希望により、櫻井さんとお菓子作りの真っ最中だ!

「優姫様はお優しいですから、ご心配せずともきっとたくさんのご友人ができますわ」

ニコニコと笑う櫻井さんはあまりに綺麗で大人で、私は照れ臭さから顔を熱くし、うつむいた。

「そ、うだといいな…」

「えぇ。その時は、この家へご招待なさってくださいな」

"精一杯おもてなしいたしますわ"
櫻井さんが嬉しそうに、楽しそうに笑った。