陽姫お姉ちゃんの葬儀が終わってから一週間がたって、いろいろな手続きやら何やらが落ち着いた頃、私はおじいちゃんに連れられ、おじいちゃんの大きなお屋敷に住むことになった。

そして、そこで出会ったのは紅茶色の髪と目をした、執事の垣元さんだった。

「零、優姫を部屋に案内してくれ」

「かしこまりました、旦那様」

そして彼は、説明をすると長くなるが…とりあえず私の専属執事となった。

「お嬢様、こちらです」

垣元さんが一歩先を歩いて部屋へ案内してくれる。

「はい」

私は、それに黙ってついていく。
春の柔らかい光は、くせっ毛でピョンピョン跳ねた、垣元さんの紅茶色の髪をキラリと輝かせた。