Й akina




「今まで黙ってて…え?」


「渚っ」

「正也っ?!」



お母さん…。
辛かったね…。



「ねぇ秋菜?」

「なぁに?」

「秋菜が朱鷺也くんを好きなように朱鷺也くんも秋菜が好きなのよ?」

「うん」


わかってる


「そしてね。秋菜に夢があるように朱鷺也くんにも夢があるの」


「わかってるよ…」

だけど


「朱鷺也くん…きっと秋菜が悲しまないように我慢してると思うの」

「…」

朱鷺也くん‥。


「ねぇ秋菜…秋菜がこっちに来たとき朱鷺也くんどうしてた?」


お見舞いには毎週必ず来てくれてたよね。


「アメリカに行った時は?」



電話をいつもしてくれたし夏休みには…。



「あ…」
「わかった?」



いつも朱鷺也くんは

私のそばから離れてはいなかった。

私がワガママなだけだったんだ…。


「私…明日朱鷺也くんに言うね」

「そうね」


「秋菜…」


「でも…お願いがあるの…」


「ん?」
「なに?」



「あのね…」




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