その後、2人でリビングに行った。



―コンコン―



お父さんは新聞を読んでいた。

「はいりなさい」

「失礼します」

「座りなさい」


私たちは、なかなか言い出せなかった。


「あの」


沈黙を破ったのは朱鷺也くんだった。


「俺、話聞きました」

新聞を読んでいたお父さんの手が止まった。

「それで?」

「俺はどんなことがあっても秋菜のそばからは離れていきません」


朱鷺也くんは誓うように
そう強く言った。


「空崎くん仮に秋菜が亡くなってもそんなことが言えるか?」

「最初は悲しむと思います。でも秋菜との思い出が消えることはないし、秋菜は俺の近くにずっといる…それを思えば…俺は頑張れます」


朱鷺也くんの言葉に
涙がこぼれた。

そして朱鷺也くんは私の手をずっと握ってくれていた。

温かい…。

朱鷺也くんとずっと生きていくために、

今やらなきゃいけないことを
やらなくちゃいけないんだ。


.