「朱鷺也くん…別れて」

少し驚いたけど、
もう迷わない。


「じゃあ、本当にバイバイ…今までありがとう」

秋菜は一歩
また一歩
俺から離れていく。


だけど、俺は…



「秋菜!!」
「えっ…」


もう離れられない。


「俺が秋菜と別れるわけないじゃん」

「だけど、私はっ!!」

「1%でも可能性はあるんだろ?」

「うん…」

「なら、その可能性ムダにしてどうすんだよ!!」

「え…」

「生きるために、わずかな可能性でもかけてムダにはならないんだよ!!」

「朱鷺也くんっ?」


俺は泣きながら
秋菜を抱いた。


「俺が助けてやるから」
「朱鷺也くん…」


「俺が秋菜を守るから心配するな」
「だけどっ!!」


「どんなことがあっても俺は秋菜のそばからは離れていかないから」

「っ…うんっ…!!」



俺たちは、いつまでも抱き合い続けた。



俺の心が小さすぎたんだ。

これからは…
でかい心で秋菜を包み込むから。


迷いなんてない。
俺の道は…たった一つだ。

俺が絶対にお前を助けてみせるから


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