*******************



「はい」


公園のベンチに座っていると、さっきの彼女がハンカチを差し出し僕の隣に座った。


「まだ居たのかよ」

「ほら、涙拭きなよ」

「泣いてねぇよ」

「泣いてんじゃん!ほら、ハンカチ!」


強引に彼女は僕の手の中にハンカチを握らす。


「好きだったんだ」

「は?」

「あの女の人のこと」

「お前に関係ないだろ?うぜーんだよ!どっか行けよ!」


なんで僕は見知らぬ女と一緒にいるんだ。


「いいじゃん」


彼女は一言言うと笑った。


それからは沈黙が続いた。


だけどなぜが気分が安らげた。


多分、一人だったら色々考えて荒れていただろう。


もしかすると・・

“自殺”まで考えていたかもしれない。



僕はちらっと横を見た。


愛という女。


変な女と出会ったものだ。


僕は空を見上げた。


太陽が笑っていた。