僕は先生を愛してます

「え?俺、笑ってた?」


デパートで買った物を開封しながら聞く。


「えぇ」


先生はうちわで扇ぎながら一言返す。



「さっきの2人組の高校生に何か言われたんでしょ?!」


「べっつに?」



「うそっ」



「本当だよ。あれれ~!先生、もしかして~・・」



僕はまたニヤリと笑う。



「なっ・・何よ」



窓際に身を寄せ、涼しさなどないガラスを全開にする先生。



「嫉妬ですか~?!」




「はい?そんな事あるわけないでしょ?」


先生は外の街並みに視線を落とす。



蝉は鳴き止まず、暑さだけが僕らを熱くさせる。




「うそだね」


僕はジリジリと先生の近くに近寄る。




「どうして、そんなことがわかるの?」



笑う先生。