「せーや」
にやついた翔太。
「なんだよ?気持ち悪いなぁ」
「教えろよ?」
「だから、そんな女いねぇよ?ったく。ほら愛美ちゃん達待ってんじゃん?早く行けよ!」
「チェッ。じゃぁまた明日な」
翔太は嬉しそうな満面で走って行った。
僕も松下先生の元に急いだ。
別に勉強を教えてもらうものなんて、ないが。
「先生!」
・・久しぶりだ。
・・こんな浮かれた自分。
「早かったのね」
またぶ厚い本を読みながら僕を迎えた。
「待っててくれてたの?」
「当たり前じゃない」
笑う先生。
・・あ・・。
・・きました。
・・胸がドキンドキン
鳴っています。
「なにがわからないの?」
近寄ってくる先生。
・・いい香り。
・・ってボク・・
変態みたいじゃないか
「ちょっと待って」
僕は鞄から先生に負けないぐらいの、ぶ厚い参考書や問題集を出した。
「あなた、こんな問題集を解いてるの?」
「うん」
「凄いわね」
先生は問題集をパラパラっと捲り中身を見る。
「参考書もわかりやすく自分でまとめてるのね」
「俺、期待されてるから」
少し曇った笑い方をした。
「期待・・?」
先生は問題集を閉じ、僕を見た。
