ザルエラ

車内販売がやってきた
「すみません」
財布を取り出し、ジュースを買う
「お弁当はいかがですか?」
お姉さんがニッコリ微笑む
「いえ、いいんです」
あたしはカバンの中から、お弁当箱を取り出した
自分で作ったものだ
お腹の赤ちゃんのためにも、栄養をつけないといけない
ふたを開け、箸で肉をつまむと口に運んだ
「・・・・・・美味しい」
初めて食べる味に驚く
なんとなく、味覚が発達してきた気がする

お腹にそっと手を当てた

この食事は、お腹の子にも行き渡る

血肉となって、体に宿り続ける

「これでいつまでも、3人一緒でちゅよ?」

“家族3人、一緒に生きていける”

そう・・・ずっと

つまんだ肉を見て、あたしは心の底から微笑んだ