「だけどね、その溝よりも大きい‘’かたまり‘’ができるよ」 無理に笑ってそう言った。それは同じだった。過去にも愛はあった。でも愛は互いの距離の中に在るもの。今またその‘’かたまり‘’を互いに暖めようとしているんじゃないか… 「私はそれを教わった気がするんだ」 さっきとは違う晴れた笑顔だった。 何かがふっ切れた瞬間だった。前を向こうとしながらも過去に甘えていた自分… これからが始まりなんだ―