いつからだろう―
こんなにも胸がいっぱいになる気持ち。遠い過去に忘れていたくすぐったい想い。



「先輩、映画なんか見に行きますか?」

初めてマトモに話をしたのが映画の話題だった。

「今、見たい映画があるんです」

最初、何が言いたいのかわからなかった。今、見たい映画…自分もあった。

「本当ですか!?私もそれが見たかったんです」

それなら話題にもなるし一緒に見に行こうかと軽いノリであっという間にすべてが決まった。

「すごい楽しみです、よろしくお願いします」

胸が熱くなった。なんだろうか…その時の笑顔が焼き付いて離れないくらいに純粋で…