「…り、璃梨起きろ馬鹿」


…んー、朝からうるさい。



「起きなきゃ襲うぞ」


…は?ちょ、やだ、何で
跨られてんのあたし…


急に章悟の顔が近付いて、
あたしの顔も真っ赤に…






ってそんな少女漫画的な展開
あるわけないだろーう。


「ん、分かった分かった、
起きますよーっ」

「…っ、分かればよろしい」


あー、今日も1日面倒くさい
日々が始まるよー。

…とりあえず着替えよ。

と思って、あたしはパジャマを
脱ぎ捨て「ちょ、待て!!」



…ようと思ったんだけど。
章悟が顔をこれでもかって程
真っ赤にしてたからあたしは
一旦、手を止めた。

「何、寝ていいの?」

「や、駄目だけど!!
…一応、俺男だぞ?」

「分かってるよ、そんなの」

「その、そんな朝から
刺激が強すぎるというか…」



…何言ってんのこいつ。


「あたしとあんたの間じゃん
昔はお風呂だって一緒に
入ってたのにさー。ねー?」

「…ばっ!!いつの話だよ!!」

あたしがそばにあった熊の
ぬいぐるみに話しかけると、
章悟は顔を更に赤くして
聞いてきた。ほんと何なの。

「えーと、あたしがひよこ組
の時だから、5歳?」

「昔の話じゃねえかよ!!」


「分かった分かった。
じゃあ着替えるから外で
待っといてよ。ね?」

あたしは章悟を追い出して
制服に着替え始めた。