ぼくはいつしか



かすみの夢を見なくなっていた



というより



夢そのものを



見なくなっていた



ぼくの眠りは



どこまでいっても



無意識の闇をただようだけで



そこにどんな景色も色彩も


それに手触りも


感じることはできなかった



目が覚めると


横にはゆきがいた