「坊主 よく来た まあ座りねえ」 じいさんはそう言って ぼくを椅子に座らせ グラスに何か注いで ぼくの前に置いた 「これはなんですか」 とぼくが聞くと 「見りゃあわかるだろう 酒だよ 生憎ここには そんな飲み物しかない」 ぼくはその琥珀色の液体の香りを かいでみた 「うっ……」 「がっはっは 坊主 バーボンは苦手かい」 ぼくはじいさんをにらんで 息を止めて一口飲んだ 胃袋の底が かあっと 熱くなった