一年前の事故、今もあたしの夢に鮮明に出てくるんや。

狂ったように鳴る、車のクラクション。

宙を舞う、雄也のエナメルバッグ。

緊急治療室に運び込まれる雄也。

忘れるはずないのに。声まで聞こえるん。


もうあたしは、恋ができへん。

あたしが愛した人がいなくなるのは、感情が消えるよりも苦しいから。