月夜の下で


この人、泣いてた事
聞かないのかな…





「ねえ、聞かないの??」
思いっきり言ってみた


「ん??何を??」


「うちが、公園で…」

「あぁ~!別に
無理には聞かないよ」


「別に言ってもいいよ」

「ぢゃ、言って
俺で良ければ
話聞くし」



私はまた、
泣かないように
落ちついて言った


ふぅ~…………
「私ね、小さい頃
親、離婚してて
母親だけなんだ」

「うん」

「母は、スナックで
働いてて、
帰ってくるのは
夜中か、彼氏の所行ったり
帰らない日が
多いの」

「うん…」

「したら、ある日
珍しく
お母さんが家で
テレビ見てて
久しぶりに母から
「ね~由姫」って
話かけられたの」

「うん」

「私には、それが
久しぶりに話かけられて
嬉しかった」

「うん」


はあ………

私はこみ上げる
涙をこらえて
大きくため息をつく

「で、
母が
「ねえ、あんたさ
今日、ママの彼氏
来るから、お金あげるから、
どっか行ってくんない??邪魔なんだよねえ~」
って言われたんだ…
私は、何も言わないで
お金をとって
いつもの公園に行ったんだ」


「いつもその公園に
居るの??」


「うん…」


「そっか…
もう、言わなくていいよ…」

「え??」



辛いなら、無理に
言わなくていい」