ウルフ

松の木が颯爽と生えている中をレイは松茸を探し奮戦していた


『ここか！』


『レイ…』


マグは少々呆れ口調だ

『あ…あったぁ～！！』


『えっ！』


レイは嬉しそうに松茸？をマグに見せる


『ほら！これでしょ？松茸』


『如何にも食べたら笑い死ぬか泡吹いて死ぬかって感じのキノコだね…』


レイはカラフルすぎるソレを悲しそうに元に戻した


『くそ…、どうしようか…な』


レイの頬から汗が落ちる


『レイ止めて町に戻らないと知らないよ！』

『う…、だね』


はぁ…、とため息を漏らしてレイはマグの方を見た


『！？』


『…どしたの？そんなにびっくりした顔して』


『マグ…、君今何に腰掛けてるの？』


『んっ？調度良い具合いだから座ってたけどどうかした？』


『それって…』


レイはゴクリと唾を飲んだ


『…松茸じゃない？』

マグはチラリと下を見た


『あぁ～～！！！！』

町の家々に夕日の赤が染み渡る


『さぁ今回の松茸キングは～～～！！』


『アシカ村のダビドさんに決定だぁ！！』


『あ～ぁ』


マグは肩を落として言った


『惜しかった…』


レイは準優勝のメダルを握り締めて呟いた


ハブに噛まれた傷口はすでに普段の肌の色に戻っていた


『いい思い出だね』


『そうだね…』


レイは呟いた