ウルフ

『グゥア?』


手榴弾が弧を描くように鵺の頭上に落ちていく


《ダン…》


【ドゴォォォ~ン】


『ふぅ…』


鵺の頭部、以下胴体は弾け飛び周りの木々に肉片がこびりついている


『中々の威力だったねレイ』


『うん、買って損はなかったけど3日前に買ったばかりだったのに…』


『命あっての?』


『ものだね…、か…』

レイはフッと笑った


『グッ』


『レイどうしたの!?』


レイは先ほど鵺にやられた傷を押さえて倒れこむ


『毒か…』


レイはボソリと言った

『毒!?』


『あぁ、多分あの蛇はハブだと思う』


『えぇ!?ハブ!?』

マグが叫ぶ


『血清があれば何とかなるけどこんな山奥にあるわけないしな…』

『ど…どうするの!?』


『仕方ない…、松茸適当に取って山を降りるしかない』


『松茸は…、やっぱり取るのね』


『当たり前だよ!手榴弾まで使ったんだから!!』


『その元気があれば血清なんか要らなさそうだけど』


マグが心配して損したと言わんばかりに言う

『けど正直早く山を降りないとヤバいみたい…』


レイの傷口はどす黒く変色し始めていた