ウルフ

暗い森の中を進む一人と一体


『松茸ってどこに生えてんのかな?』


レイが言う


『赤松の木の下とかじゃない?』


『よ~し、松の木を探せばいいんだね』


『まぁそうだけど』


辺りは静まりかえっている


『不気味だね…、レイ』


『松茸松茸松茸松茸……』


『レイがもっと不気味だった…』


《ガサッ》


『んっ?』


背後の草むらから音がした


『ちょっとレイ~、なんか音がしたよ!』


『ん~?気のせいじゃない?あっ松の木だ!』


『レイ~ってば!』


《ガサッ》


『ほらまた!』


『そんなに気になるならセンサーで見てみれば~?あぁ!これ松茸っぽい!』


レイは松茸に夢中だ


『ったく…、レイったら』


センサーには巨大な物体が熱を発しているのが綺麗に映し出された

『レイ…、来たよ魔物さん』


《ガサッ、ガサガサガサガサ!》


『みたいだね…』


『グァオァ~!!』


レイ達の前に現れたのは鵺という化け物であった