山の木々が色付き始めた季節に一人の旅人と恐らく旧型のロボットが山道を歩いている


『次の町のデータはある?』


旅人がロボットに聞く

『うぅん無いよ』


ロボットが答える


『そっか…、その方が楽しめるからいっか』

旅人が軽く受け答える

まだ残暑が残る日だった


【この先1.2キロリペンタウン】


『だそうだよレイ』


『あぁ、そうみたいだね』


すっかり古ぼけているがはっきりと字が見える看板を見つめて、レイと呼ばれた旅人が答える


『さぁもうひと歩きだ』


『うん頑張ろうレイ』

落ち葉が舞う山道を急ぐ一人と一体


『中々味がある町だね』


町の雰囲気を見て旧型のロボットが言った


『結構好きだよ僕は』

町にはからぶき屋根の家がのきを連ねていた

『そう?レイは古風なもの好きだもんね』


『うん好き』


そう言ったレイと呼ばれた旅人と旧型のロボットは町に入った