机に寝そべったまま聞く

チャイムの音が響き渡る


ため息ひとつついて

鞄を肩にかけ廊下に出る


校内には

まだうっすらと人の気配


吹奏楽が

ここは現実だと教えてくれる



夕焼けに染まった学校は

ひどく寂しくて涙が出そう


早く家に帰りたくって

私は走り出した


下駄箱で靴を履き替え

外の世界へと飛び出したんだ


周りには誰もいなくなっていて

時間も止まってしまった様で


校庭には

ぽつんと残されている

バスケットボール


何気なく拾って

グラウンドを歩いてく



夕焼けに染まった校庭は不思議

寂しいのに何故かドキドキする


少し

もう少し

ここにいたいと思えたんだ


リングに向かって

ボールを構えて

放物線を描かせる



その後に残ったのは

綺麗な

夕焼け空だった