夕闇の中、彼は宿屋が軒を並べる通りへと進んでいった。 道端の街灯に、役人が火を入れていくのを横目で見ながらゆっくりと、しかし迷いの無い足取りで人ごみをすり抜ける。 過去に何度も利用した宿の扉を開いたのは、すでに夜の帳が降りた後。 宿の扉を開けると食べ物やアルコールのにおい、食器の触れ合う音、人々の話し声といったものが彼を包んだ。 .