調べの記憶〜春宮秘話〜





 光と闇の空間に、春帝・ミュレアはいた。


彼女は虚空を見つめていた。


視線の先には、小波のような光の錦――色彩の海。




「ついに――この時が来たのですね……」


 ミュレアはため息と共に、そうつぶやいた。