光と闇より構成された、天地の境も曖昧なる世界にそれは存在していた。


それは、人族のように肉体を備え持ってはおらず、意志と光と闇とを力の源とした――いわゆる思念体である。


 人族は、[彼女]を『春帝』と呼ぶ。