「ほら、とりあえずあの木の所で少し休もう。」 皇女はうなずくことしか出来なくなっていた。 皇女を抱えたまま木へと歩いた。 後ろから忍び寄る気配にも気づかず、俺はそいつに対して背を向けていた。 「おい、お前!」 木の根元に皇女を下ろした瞬間、背後から声がした。 「俺か?」 我ながらアホな返答をしながらその声の方をむいた。