それから蛍子は、話を続けた。

「りょうくんの気持ちすごくうれしい。私ね、小さい頃から旅回りで友達ができてもその時だけでさ、中学までしか行ってないから…。何か相談したくても回りは大人しかいなかったし。」


僕はとっさにこう言った。


「僕でよければいつでも相談にのるし、一人で悩む事ないし…。もう僕たちは友達だし…。そういえば鍵を渡さなくちゃ。大阪にはいつまでいるの?」


「明日の夜帰るの。多分深夜になるから、鍵は次の日で良いわ。」


「でも、その夜はどうするの。僕は遅くても平気さ。持って行くから時間を教えて。」


「ほんとに?良いの?じゃあお願い。」


蛍子が時間を告げ電話は切れた。