僕は残りのご飯を口の中へ掻き込むと、急いでスーパーへ向かった。
警備のおっちゃんに、冬椿のポーチを取りに来たと告げる。


「ああ、それね。でもなんでりょうくんが来たの。一応本人に了解とらないとね。」


ったく、なんだよと思ったけど、その通りだよね。僕は冬椿に電話すると、そのままケータイをおっちゃんに渡した。
おっちゃんは確認すると、怪訝そうな顔をしながらケータイを僕に返した。


「話はわかった。じゃ、この受取りに名前かいて。」

僕は受取り書に名前を書き、写しをもらう。


「その紙も渡してね。じゃあポーチを持って行きなさい。中を見るんじゃないぞ。」


警備のおっちゃんは、赤いポーチを僕に渡した。僕はちょっとムッとした。まあいいや、おっちゃんは職務に忠実なだけさ。これで冬椿に会える事になったから。今日は色んな事あったけど、ついてるかも。僕は上機嫌だった。