「ねえ、あなた大学生なの?」

「うん、僕は今年田舎からでてきたばかりでさ。」

「ふーん、そう…。で、何を勉強しているの?」

ランチセットのコーヒーを飲みながら冬椿は言った。

「えーと、僕はね分かりやすく言うとパソコンが好きなんだ。企業のシステムを作ったりしてさ、エンジニアになりたいんだ。将来的にも発展する仕事だと思うんだ。それで情報工学のほうへすすんだんだ。」

「ふうんすごいね。よくわからないけど、そういうの。難しいんでしょ?頭良いのね。」

「そんな事ないさ。好きな事だからね。僕にしてみたら君のほうがすごいと思うよ。まるで神様みたい。」

すると、冬椿はお腹を抱えて笑いだした。

「ねえ、大袈裟よ。」

「ほんとにそう思った、だって君が演奏し始めたらそれまでうるさかった会場が静かになったし、感動した。」

「ありがとう、そんなに褒めてもらって、午後からまた頑張れるわ」