僕は恥ずかしくて顔が熱くなるのがわかった。冬椿は又、笑い転げた。

「大丈夫?朝食抜きでお腹空いたのね」

「どうして朝食抜きってわかるの?」

冬椿は、ニヤニヤしながら言う。

「だって、今朝の慌てぶりったらなかったもの」

ああ、もう完敗だ…。僕はため息をつくと冬椿に昼食の事を訊いた。

「それよりさ、君は何が食べたいの?なんでも良いって、店長がいってたから」


冬椿は、大きな瞳をパチパチ瞬きしながら言った。


「うーん、なんでも良いけどね。お腹が空かないようにたくさん食べたいな」

僕は、それを聞くとおかしくて吹き出した。今度は冬椿がムッとして言う。

「あら、何がおかしいの?」

「ごめんなさい。あまりにも子供みたいに、ストレートな言い方だったから」

「まあ良いわ、早く案内してよ」


僕は、はいはいと言いながら冬椿を店内へ促した。