幸せだったけれど、あの日から私は隼人と抱き合うことが出来なくなっていた。

あの時のこと。

フラッシュバックのようにあの時の思いが蘇ってきて、涙が溢れてくるから。

そんな自分が嫌だった。



私だって、本当は隼人に抱かれたい。

でも・・・できない。

そんな私のことを、隼人は壊れ物を扱うように、抱きしめてくれる。




「無理にしなくたっていい。

俺は七海が居れば、それでいい。

お前と一緒にいれたら、それでいいから。」



おまじないのように、心に響く隼人の言葉。

その言葉を聞くたびに、不安は涙と流れていくのがわかった。