放課後には、涼太から声をかけられた。


「隼人から聞いたけど」

涼太は部活のウォーミングアップ中だったのか、首にかけたタオルの両端を持ったまま話し出す。


「俺は、七海が決めたなら反対はしない。
でも、辛くなったら俺がいるからな。」


「えっ・・・」

「大丈夫。隼人から奪おうなんて考えてないから。

お前が隼人を好きならそれでいい。

七海が幸せなら、隣に居るのが隼人でも、俺はお前が笑っていればそれでいい。

でも、隼人といて七海がまた泣くようなことがあったら、遠慮なく奪いに行くから。」




何も答えることが出来なかった。



そんな私に涼太は微笑む。