そして5月。

今日は私の17回目の誕生日。

手帳を開くと、運よく日曜日だった誕生日の欄にピンクの文字で『隼人とデート』と書かれていた。

いつもより気合いを入れて髪を巻いて。

ふわふわのワンピースにヒールを合わせる



約束の10分前に待ち合わせの駅に着いた私は、ショーウィンドウに自分を映して、少しくずれた前髪を直し、最終チェック。



身長が高い隼人に合わせた、高めのヒール。

でもいくらヒールを履いても、隼人に抱きしめられると私はすっぽり納まってしまう。

安心できる腕の力強さに、いつも泣きそうなほど嬉しくなる。




あの時の悲しみは、隼人によって癒されてきた。

もう寝る前に泣くことはなくなっていた。

それくらい、隼人は私のことを大事にしてくれるんだって思えていた。