いきなり携帯が震える。

メールの送信者は隼人だった。

『今日、時間作ってほしい』

ドクンと、心臓が鳴る。


約束の時間10分前にいつもの公園に行くと

ベンチに人影が見えた。

入り口で思わず足を止めると

隼人が気づいて近づいて来る。


隼人の目には、涙が浮かんでいた。

「ごめん。」

体の横で握り締めた手は、少しだけ震えていた。


「俺、七海がいなきゃダメだわ」

目頭が熱くなる。

隼人は私の頬に触れ

「なんで七海が泣くの?泣くな?」

そう言って少し笑った。


緊張していた心が緩むと同時に、涙腺も緩んでいた。

ただ『これからも一緒にいられる』ことが嬉しかった。