目をつむって夢の世界に入ろうとしていると、それを遮るように携帯が鳴りだした。

あわてて携帯を掴み直すと、そこには『涼太』の文字。



「もしもし?」

「おー、七海。今、家?」

「うん、どしたの?」

「もうすぐ試合始まるんだけど見に来ない?高校生活、初試合なんだよね。」

「試合?!行きたい!!」


そう返すと涼太は笑った。



少しメイクを直して、自転車にまたがる。

いつもの通い慣れた道。

私服で通ることがなんだかくすぐったいけれど、空はただ真っ青だった。