メトロノーム 【完】

「隼人?」

「ん?」


呼ぶと帰ってくる声がくすぐったい。

こんな小さなことが幸せだったなんて、離れて始めて気付いたの。


「義理チョコじゃないから‥ね」

「え?」

「隼人がすき、だよ。」



一言一言、噛み締めるように言う。

私の本当の気持ち。

びっくりしていた隼人は、ふっと優しい笑顔になって私の右手を握る。



「ありがとう。」

そう言って、抱きしめられる。



「七海の気持ち、すげー嬉しい。」

そういう隼人の声は震えていて。


胸が詰まる。