12月24日。
クリスマスイブ。


冷たくなった指先に息を吐きながら、こうちゃんを待つ。

寒いだろうから家で待っててと言われたけれど、私はいつも通り公園でこうちゃんを待っていた。



小さなクラクションに目を向けると、見慣れたセダン。

ちょうど目の前にドアが来るように停められ、こうちゃんが中から開けてくれる。

「待っててくれたの?寒かっただろ?」

「ううん、大丈夫だよ。」

答えながら車に乗り込むと、暖かい空気とこうちゃんの香水の香りにつつまれた。

「ほら、冷たくなってる。」

そっと触れられた右頬が熱くなる。