「七海?」




運転席に座るこうちゃんに、ほっぺをつつかれる。

隼人との電話を思い返していた私は、こうちゃんの話を聞いていなかったらしい。



「何かあった?」


いつものように優しいこうちゃんの声に、さっきの出来事を話しはじめた。

話が終わるまで、こうちゃんは静かに聞いてくれていた。



「七海は、元彼と寄り戻したい?」

「そんなんじゃ・・」

「でも、忘れられないんでしょ?」

「・・・」