(01)教室
広い教室に一人で立っていた。
夕日が差し込んで
黒板や机や壁を
深オレンジに染め上げていた。
わたしは一人で立っている。
ただ一つの机の前に立っている。
持ち主はもう居ない。
タローくんはもう居ない。
頬を滑り落ちた雫はそのままどこかへいってしまった。
タローくんもどこかへ、いってしまった。
もう二度と会えないということは
死んじゃうこととおんなじだ
それならば
今日はタローくんのお葬式だ。
もう会えないタローくんを想って
わたしはほとほとと涙を落とし続けた。
(好きだった気持ちなんて今更どこへ捨てたらいいの)